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吾輩はカスである

吾輩はタロである。恋人はまだ無い。


やんでれ

どこで出会えるのかとんと見当がつかぬ。

何でも元彼女がいて喧嘩した時、覗いたケータイではカスフォルダにカスという名前で振り分けられていた事だけは記憶している。
吾輩はここで始めて人間というものを見た。

しかもあとで聞くとそれはヤンデレという人間中で一番どうあくな種族であったそうだ。

このヤンデレというのは時々我々を捕えて煮て食う(精神的に)という話である。

しかしその当時は何という考もなかったから別段恐しいとも思わなかった。
ただ彼女のてのひらに載せられてスーと持ち上げられた時何だかフワフワした感じがあったばかりである。

掌の上で少し落ちついて目が死んでる顔を見たのがいわゆるヤンデレというものの見始めであろう。

この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。

第一毛をもって装飾されべきはずの顔(主にまゆ)がつるつるしてまるでやかんだ。

その後、女性にもだいぶ逢ったがこんな片輪には一度も出会わした事がない。のみならず顔の真中があまりに突起している。そうしてその穴の中から時々ぷうぷうと煙を吹く。どうも咽せぽくて実に弱った。これが人間の飲む煙草というものである事はようやくこの頃知った。

このヤンデレの掌の裏でしばらくはよい心持に坐っておったが、しばらくすると非常な速力で愚痴り始めた。

ヤンデレが愚痴るのか自分だけが聞いているのか分らないが無暗に眼が廻る。胸が悪くなる。

到底助からないと思っていると、どさりと音がして鼻から火が出た。それまでは記憶しているがあとは何の事やらいくら考え出そうとしても分らない。
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