ジャンカーNo

ブログ内検索

カテゴリー

最近の記事

月別アーカイブ

最近のコメント

リンク

RSSフィード

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード

最近のトラックバック

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

イーS story.1 【drop】 byマナカ

今回はマナカのSS更新!です!

待ってた人は待ってたかな? 初、イーッ!! のSSになります!

ちょっとだけ長めですがお時間あります方はどうぞ!



以下、留意点!!


・改行とか句読点とかかなりいい加減ですすいません。はい、言い訳です。すいません。

・イーッ!! の二次創作SSになります。
 そういうの苦手だぜって方は全力で回避を!

・閲覧の際は、読者様ご自身のイメージや理想を著しく崩す可能性がございます。
 そちらをご承知の上で先にお進みください。



以上がOK!って方はどうぞ!

今回、たぶん今まで更新したSSの中で一番いろいろ「ふわっ」としてます。

な、何卒フィーリングを!(他力本願)
男の子はいつも一人だった。

その施設には男の子と同じように、いつも一人でいる子供たちが他にもいた。

無理もない。物心つく前、あるいは物心がようやくついた頃に『家族』という物を失った子供たちが、そこには集まっていたのだから

急激に変わった環境の中で、自分以外の誰かに心を開くといった行為が出来なかったとしても、それは当然の事と言えた。

しかし、その男の子は、そんな一人でいる子供たちの中にあって尚、他の子供たちとは違った。

その施設において「一人」と言われる子ども達は、そのおおよそが言うなれば「孤独」だったのだ。

自分の心を他者に打ち明けられず、己の内にしか拠り所を見つけられない、しかし本当は他者に理解してほしい、でも出来ない。

それがいわゆる「孤独」。

だがその男の子は違った。結果として傍目から見れば大差はなかったのかもしれないが、しかし決して同じではなかった。

言うなれば彼は「孤高」だった。

自らの内にある弱さに気づき、しかしそれを認め、その上で自分は一人である、ということを自ら選んでいた。

男の子は強かったのだ。

ゆえに「孤高」。

そんな男の子に、知らず周りの子供たちは憧れた。自分たちと同じでありながらしかし自分たちよりも確実に強い彼に惹かれた。

しかし、彼は決してそんな周囲と同調することをしなかった。

なにも彼らを嫌悪していた訳ではない。誰かと仲良くしたりすることを煩わしく感じていたという訳でもない。

ただ、彼はそれを望まなかった。彼は、自分は一人でなければならないと、そう思っていたのだ。

そうでなければ、彼は自分が目指すモノには到底届かないと、やはりそこは年頃の少年らしく信じていた。

少年は――――――「ヒーロー」になりたかったのだ。








φ








泣いてる声が聞こえた気がして、少年は周りを見渡した。

時刻は夕方18時前。まだ本格的な冬にはなっていないが、このくらいの時間になると既に夜の色の濃さが迫ってきている。

少年は毎日の日課であるランニングの足を止め、乱れる呼吸を整えながら耳を澄ました。

軽く周囲を一見したが、声の主は見つけられない。ならばと彼は目を閉じ、あえて五感の一つを封じることで聴覚を研ぎ澄ました。

流石に忍者ではないので正確な距離や場所までは掴めなかったが、大体どちらの方向からソレが聞こえるかはおおよそ掴めた気がした。


「……あっちか」


少年は一旦止めた足で、すぐさま勢いよく地を蹴り、狙いを定めた方向へと駆け出す。

普段からそれなりに鍛えているだけあって、速さにはそれなりに自負がある。

施設の誰にだって駆けっこで負けた事はないしこれからも負けるつもりはない。

ともすれば大人でも追いつけないのではないかという軽やかさで少年が夕方の街並みを駆け抜けると、やはり距離的にそう遠くはなかったらしく

すぐにその声の主を見つけることができた。夕方になって、すっかり人気のなくなった公園だった。


「……大丈夫?」
「ふぇ」


女の子。見た目からしてだいたい5才くらいかと思われる、髪を二つくくりにした女の子は、蹲って泣いていた。

自分が聞いたのは、どちらかといえば叫び声に近いソレだったのが、声を出しつかれたのか

今は啜り泣くような声に変わっているし、その声自体もややしゃがれ気味で、どこか痛々しさを感じる。


(もっと早く着ければよかったのに……)


と、少年は誰にも責任のないそんな栓ないことを思いながら、うずくまっている女の子に視線が合うように自分もしゃがみこんだ。


「……大丈夫? どうした?」
「……お母さん」
「はぐれちゃったか」


まあ、だいたいそんなところだろうと思っていた少年は、女の子が拙く口にしたその単語だけでも答えを導く事が出来た。

同じ要領でゆっくり話を聞いていくと、女の子はこの近所にあるショッピングモールに母親と二人で来ていたらしいのだが

店を出て少しのところではぐれてしまい、女の子は必死にお母さんを探したものの見つからず

なんとか記憶を頼りに、普段自分が母に連れてきてもらう公園にたどり着き、そしてついに我慢できずに泣き出してしまったのだそうだ。

このくらいの子供の妙な意地とでもいうべきか、はぐれてすぐに鳴き声を上げていれば、あるいはすぐに母親とも合流できただろうに……

しかし少年は、女の子のそんな部分を愚かだとは思わず、むしろ好ましいとさえ思った。

だから、男の子は出来るだけ優しい手つきで女の子の頭を撫で、これもまた出来る限りの優しい声色で言った。


「よく頑張ったな、あとは俺に任せろ」


少年は、しゃがんだまま体を反転させると「ん」と自分の背中を女の子に差し出す。

女の子は、最初のうちは面食らって何が何だかわからないという顔をしていたが、すぐにその意味を理解したのか、恐る恐る問うた。


「……いいの?」


少年は答える。


「いいよ」


即答だった。
それを聞いた女の子はやはりまだ恐れながら、しかし確かに少年を頼るように、その小さな手を彼の肩へとかけた。


「俺がお母さんのとこまで連れてってやる」




φ




5才の女の子の脚ではキツイ、というだけで、やはり彼女の自宅は公園からさほど遠くない場所にあった。

女の子の記憶を頼りに、多少あちこちを行き来はしたが、それでも割かし順調に、時間としては19時を少し過ぎたあたりで目的の場所へとたどり着いた。

出迎えてくれたのは彼女の母親で、とても人の良さがにじみ出た温和そうな女性だった。

恐らくは不安で泣いてしまい、腫らしたのだろうその目が、先ほどまで同じように泣いていた女の子の目とそっくりで、不謹慎ながらなんだか笑ってしまう。

既に警察には届けていたらしく、自転車で心当たりのある場所をあたり、母親は家でもし娘が自分で帰ってきたときのために備えていたらしい。


「本当に、ありがとうございます」


警察への連絡も終わらせ、ひと段落した居間で、彼女の両親はむしろこちらが申し訳なくなるほどに頭を下げてきた。

女の子は女の子でしきりに「ありがとう」を繰り返しており、まさかここまで感謝されると思っていなかった少年としてはなんだか照れくさい。

こんな風に感謝してもらえるだけでも、あの公園へと駆けていった意味はあるなと思ったが、両親はそれでもまだ気がすまないのか

何かお礼を、とそれはもうものすごい勢いで身を乗り出してきた。

ありがたい話ではあったのだが、別に少年としては何かお礼を期待して行動したつもりも、増して『お礼がなければ行動しないつもり』も毛頭なかったので

ここまできたら、お礼を断るほうが申し訳ないのだろうかと思いもしたが、それでも、できるだけキッパリと、しかし嫌味なく言い放った。


「いえ、当然のことをしただけなんで」


ヒーローとして、という言葉は流石に伏せておくことにした。








φ








少年は、ヒーローになりたかった。

なぜ? と問われれば正直なところ、少年としても少し困ってしまうのだが

あえて彼の言葉をそのまま言えば「誰かが傷つくのを見たくなかったから」である。

少年は、目の前で誰かが傷つくことが、自分でも不思議なくらいに許せない人間だった。

目の前で泣いている人間がいれば駆けつけて労り、遠くで諍いがあれば直接介入するかどうかは別として可能な限りその鎮静を図る。

その行動を偽善だと、カッコつけだと揶揄するものも身近には少なくなかったが、それでも少年は気にせずそれを続けた。

なぜなら、自分の中にあるその「傷つけたくない」という気持ちを疑問に思ったことはなかったから。

自分はそういう人間で、そう生きるために―――そう、さながらヒーローのように生きるために生まれたのだと、何故か自分の中にその強い確信がある気がしたのだ。

だから、疑わなかった。

何も、疑っていなかった。








φ








「あら、おかえりなさい」
「すいません先生、遅くなりました」


その施設において「先生」と呼ばれていた彼女は、一言でいえば人気者だった。

若く、お世辞などまったく抜きにして「美人」と言って差し支えない容姿と

子供たちの多くが無意識に「先生」と呼びたくなってしまうほどに包容力に溢れたその言動は、大げさな比喩をするならば女神だったのだ。

少年本人はそうでもなかったが、家族を亡くした子供たちにとって、理想の母親を夢見るにはもってこいすぎたという意味でも、その例えは的確だと彼も思っていた。


「ううん、大丈夫? 何かあった?」
「いや、別に、ちょっといつもより遠回りして走ってました」

別に嘘をつく必要もなかったが、逆に「迷子の女の子を助けてました」などとあえて広めて回る事もないだろうと思った彼はそれを言わなかった。

先生は、それに対して何か気になったことがあったようだったが、しかし追求を深めようとはせず、少しばかり膝を折り、少年の頭にその柔らかい掌を乗せた。

「まあ、君のことだから大丈夫だと思うけど……気を付けてね、大事な体なんだから」
「……はい」

先生は、心配性だ。

施設の中では比較的年長組で、こうやって体力もそこそこある自分のことでさえ、いっそ執拗と言っていいほどに心配してくる。

いつもの物腰は柔らかいのに、こういう時の彼女の視線には何か、圧というか、逆らえないものがあって自分としても素直に返事をするしかない。

まあ、こういうところがやはり、施設の人間みんなから好かれている要因なのだろうなと少年は思った。

……ただ、少年は、少しだけ先生が苦手だった。理由はわからないのだが。


「戻ります」
「はい、もうすぐ晩御飯の時間だからちゃんと手を洗ってね」


そろそろそんなことを言われなくても大丈夫な歳になってきているのではないかと自分では思ってる少年としては

先生のそのあからさまな子供扱いの言葉に思うところがないではなかったが、まあ別に反論を返すようなことでもないので、黙って頷いた。

ヒーローは、細かいことは気にしないのである。

「じゃあ」

少年は、あまり先生と二人きりで話すのが得意ではなかったし、確か今日のメニューがカレーだったことを思い出した事もあって、駆け足で施設へ戻る。

先生は、それを黙って見送った。


『prrrrrr...prrrrr...』


着信。


「…………はい、私です。
 ええ、今夜、彼をそちらに搬送します……ええ、非常にいい調子ですよ。身体能力も高く意志も強い。上々の素材になると思います。
 ……それはもちろん。扱いには最大限の注意を…………大事な体ですからね」


少年は、先生のことが少しだけ苦手だった。

でも、理由は分からなかった。

だから、一度も疑わなかった。








φ








次に目を覚ました時、少年はその真っ白な部屋の中で、その部屋の色同様、何も憶えていなかった。

自分が誰で、どこから来て、何故今ここにいるのか、何も憶えていなかった。

ただ、憶えている事は何一つなかったが、覚えていることは一つだけあった。


「処置終了……おはよう、わかるかな」
「…………あァ」

いつの間にそこに立っていたのだろう、やはり真っ白な医者のような服を着込み、馬鹿でかいゴーグルのせいで顔すら伺えない男が、問うた。


「君はなんのためにいる?」


少年は―――否、少年だったモノは

唯一、覚えていることを口にした。


「…………人間を、殺すため」


少年だったモノは、その自分の言葉を何も疑わなかった。

ただ

何故だかは、本当に何故だかは自分でも分からなかったが


自分は―――『落ちた』のだと


ただそう思った。








イーS story.1 【drop】












fin.
スポンサーサイト

<< ご来場ありがとうごさいましまby小津  【BACK TO HOME】  私の中ではかなり違う by山田 >>


◆ コメント ◆

≫≫ コメント投稿フォーム


*管理者にだけ表示を許可

 BLOG TOP 



Powered by FC2ブログ 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。