ジャンカーNo

ブログ内検索

カテゴリー

最近の記事

月別アーカイブ

最近のコメント

リンク

RSSフィード

ブロとも申請フォーム

QRコード

QRコード

最近のトラックバック

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

story. by.マナカ

二次創作です。



お時間ある方は、もしよろしければ、どうぞ






いつも僕の拙い文書を読んでくださるみなさま

本当に、ありがとうございます。











むかしむかし、ひとりの男がいました。


男は、どうしようもない仕事をしていました。


その仕事は、内容の残酷さから誰もやりたがらず


しかし、みんなの嫌がるそれを誰かがやっても、その誰かは決して感謝などはされず


「どういう神経であの仕事をしているのだろう」と言われます。


男は、そんな仕事をしていました。


だから男はどうしようもない仕事をしている男でした。


ある時


なぜ、そんな仕事をしているのか


と質問されたことがありました。


男は、特に何も思わず「僕がやるしかないから」と答えました。


男に質問した人は


「そう…」


と言うと、それ以来、男と話す事はありませんでした。


男は、やはり特に何も思いませんでした。


どうしようもない仕事をしていた男は、自分がどうしようもない仕事をしていると分かっていたからです。


このまま自分はどうしようもない仕事を一生続けて


いつまでもどうしようもないまま、いつかどうしようもなく死ぬのだと思っていました。



男は


「ずっと、どうしようもないまま死んでいく」のだと


期待も、落胆も、希望もなく


そう思っていたのです。



でも


ある時、男は「ありがとう」と言われました。



男は嘘をつきました。


たくさんの嘘をついて、「彼女たち」を騙しました。


けれど、彼女たちは全員がまるで


彼が来てくれる事をずっと待ち焦がれていたかのような幸せな笑顔で


「ありがとう」とそう言ったのでした。


男は驚きました。


嬉しいと、そう思った自分に驚いていました。


自分はどうしようもないはずなのに


どうしようもない自分が、こんなにも、ああ、どうしようもなく嬉しい事があるのかと、震えました。


自己満足だったのだと思います。


嘘で塗り固められたハリボテだったのでしょう。


子供だましとすら言えない、下手くそで、グズグズの大嘘だったのでしょう。


しかし男は、それでも、どうしても


「自分は、どうしようもなくは、ないのかもしれない」-----と


その、どうしようもなかった彼女たちの


彼女の


最期の笑顔を見て、思ってしまったのでした。



男は、サンタさんになりました。


どうしようもないモノたちに、どうしようもないないなりに、幸せな最期を届けるサンタさんになりました。


自分が幸せになりたかった訳ではありません。


みんなに本当の幸せを上げられると思った訳でもありません。


それでも、どうしようもなかった男は、サンタさんであり続けました。


まるでそれが、【誰か】とした約束であるように。


あるいは呪いであるように


けれど、その呪いを宝物のように胸にしまって


男は、仕事をし続けました。






それからしばらく時間がたったある時



男は、死のうとしていました。


雪が積もるくらいに降った寒い日でした。


仕事中のミスでした。


お腹に大きな穴が空いて


息が段々と切れて


目は、まるで水の中にいるかのようにぐにゃりと歪んだ景色を写していました。



どうしようもない死に方でした。



男がずっと頭の中で描いていた予想を、まったく超えることのない死に方でした。


しかし男は、ああ、なぜなのでしょうか


どうしようもない人生だったな……とは、思えなくなっていました。



それは、もうまともにモノを考える事も出来なくなった男の、気が触れたしまったせいかもしれません。


あるいは、死ぬ間際くらいは自分を幸せだったと思い込みたかったという、惨めな思いからだったのかもしれません。


それでも、男は、確かに



「生きていて良かった」






そう、思いたいと、思えたのでした。


男のぐんにゃりとした景色の中に、誰かが現れました。


その誰かは、ぐんにゃりしていて顔なんて全く分かりません


男なのか女なのか


ひとりなのか、それ以上なのか


人間なのかそうでないのか


現実なのか、幻なのか


けれど



------やぁ



男には、その『見えない誰か』が誰なのか


ハッキリと、分かっていたようでした



------きてくれたんだ



男は、見えない誰かに


でも、確かにそこに居た誰かに


居てくれた誰かに


ずっと言いたかった言葉を言いました






------ありがとう






男はそう言って


いつか、彼女たちがそうしたように


満足したように、ニカリと似合わない笑顔を浮かべると


いつか彼女にそうしたように


最後の言葉を口にするのでした。






------おやすみ












fin.
スポンサーサイト

<< いっぱつめが肝心 by.マナカ  【BACK TO HOME】  忘年会by西田 >>


◆ コメント ◆

≫≫ コメント投稿フォーム


*管理者にだけ表示を許可

 BLOG TOP 



Powered by FC2ブログ 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。